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子育て・保育のヒント

名古屋市立大学大学院人間文化研究科 准教授

                                    曽我幸代氏

 こどもが遊んでいる場所を想像してみてください。そこでは、こどもたちはどのような表情をしていますか?泣いていますか?何かに夢中になっている真剣な顔つきですか?ケラケラと声をあげて笑っているでしょうか?

 こどもが遊んでいる姿には「生」を感じます。こどもはそのときの一瞬一瞬を生きています。なぜって、こどもにとって、身のまわりの環境は「わくわく」の宝庫だからです。さまざまな物事との新しい出会いに満ちている世界だからです。小さなことをきっかけに、こどもは遊びを広げていきます。いつの間にかケラケラ、ゲラゲラ、ギャーと大はしゃぎになっていることもしばしば。

 

 一方で、私たちおとなはちょっとしたことにどれだけ「わくわく」を感じられるでしょう?こどもと同じように、身のまわりにあるものに興味を持つこと、「なぜだろう?」って思うことを忘れていませんか?よくよく考えてみると、おかしなことって世の中には実はあふれています。けれどおとなはそうしたことにも気づかないくらい、忙しい毎日を過ごしていて、いつの間にか人間関係もぎすぎすしている、なんてこともあるのではないでしょうか。こどもと一緒に、身のまわりのことに目を向けてみましょう。一度立ち止まって世の中を眺めてみると、おかしなことが転がっています。

 

 こどもと一緒に「なんで?」から「わくわく」して、ケラケラ笑ってしまう「ネタ」を探してみてください。まずは私たちおとながそうした種が育つ土壌をもっているのかが問われます。ぜひ「わくわく」してクスクス「笑い」がつい生まれるような、そしてケラケラ笑ってしまうような場を体験してください。そうした経験がみなさんの土壌を豊かにしていくはずです。

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